不満があるとき、誰でも少なからず感情的になってしまうものですが、腹を立てた状態で議論をすれば、勝算が低いばかりか相手との関係を損なうことにもつながります。カッとしたまま感情的なメールを送りつけるのは論外。まずは深呼吸をしてイライラが静まるのを待ちましょう。ここでは怒りの気持ちを抱えながらビジネスメールを書かなければならない場合に留意すべき5つのポイントと、そこで使用できる文例を紹介します。
戦略その1: 怒りを見せるのはNG、落胆を伝えるのはOK
【落胆を表す】I’m sorry/really disappointing など
ビジネスメールの中でこちらの怒りを感情的に表すのは控えるべきですが、相手の仕事ぶりが期待外れであるときは、そのことは表現してもおかしくありません。
I’m sorry to have to report that several items were damaged during transit.
It was really disappointing that we have had no progress on the driver issue.
戦略その2:仮に謙虚な気持ちはなくても、謙虚な態度で伝える
【こちらが誤っている可能性も含めた表現】it appears/it seems など
相手の誤りをこれみよがしに指摘すれば、感情的なしこりが残ります。念のため、相手が正しく、こちらが間違っているかもしれないという含みをもたせた”it appears”や”it seems”といったフレーズを使い、謙虚な態度で問題を伝えましょう。
It appears that your shipment hasn’t arrived yet.
It seems that there has been a delay in ABC’s solution to the driver problem.
戦略その3:責任の所在についての発言には注意する
【十分に注意する】you didn’t sendに代えて、we haven’t receivedを使う
“you didn’t send”という表現で相手の責任を追及した後、実は運送会社のミスで輸送が遅れていたことが分かるといったケースもなくはありません。誰が責めを負うべきかを直接的に指摘するのが果たして有益なのか、そのことを十分に検討してください。
We couldn’t complete the design because you didn’t send the site data.
(注:責任の所在を明確に示すための参考表現ですので、使用には注意が必要です。)
We couldn’t complete the design because we haven’t received the site data.
(注:責任の所在を明示せずに客観的な事実のみを語る表現です。)
戦略その4:パーソナルかビジネスライクか。最も効果的なアプローチを考える
【適切なアプローチを選ぶ】1. formal, 2. neutral, 3. business casual
不満な行動を相手に何としてでも正してほしい。そこで重要になるのは、「相手が何のためなら行動しそうか」を見極めることです。その判断に従って、個人としての自分の権限でプレッシャーをかけるか、会社を引き合いに出すかを決めるとともに、フォーマル/ニュートラル/ビジネスカジュアルから最も効果的な文章のトーンを選びます。
AGJ would appreciate ABC’s attention in this before it becomes serious. (formal)
Thank you in advance for taking care of this. (neutral)
It’d be great if you’d take care of this before it gets serious. (casual)
戦略その5:裏を取ってから立証する
【立証した情報源を示す】indicate/according to など
何に腹を立てているにせよ、まずはこちらが間違いがないことを確認しましょう。確認できたら、その証拠も一緒に示すようにします。
Our tests strongly indicate a failure of your devices to meet our basic standards.
According to our tests from the field, customers are unhappy about the XY, I’m sorry to say.