色々とありますが、ビジネスメールの一番の目的は、「仕事を進める」ことではないでしょうか?
ここでは、「仕事を進める」ために必要なビジネスメールの判断力、論理力、表現力についてお話したいと思います。
判断力
複雑なビジネスの現場では、毎日さまざまな「決断」を迫られます。「いつ/どこで」「誰に(と)」「何を」 「どうするか」—。問題解決のため、決断の連続です。意思決定をスムースに行うためには、情報の取捨選択の判断力こそ、思い通りに仕事を進めるキーファクターとなります。
状況判断と情報選択
多様な情報の中からこちらの意向を的確に伝えるための判断力とは、状況判断に基づいた情報選択の判断を行うことです。月末の納入期限に遅れてしまった—。相手が顧客である場合と、子会社である場合では、対応が異なるでしょう。相手との信頼関係を維持するために、何をどのように伝えるべきでしょうか。この際に必要となるのが、状況判断力、情報選択の判断力です。相手との関係、その相手に伝えるべき情報の的確な判断を怠れば、これまで築き上げた信頼関係に致命的な傷をつけることになりかねません。
判断力と論理力
「論理力」に基づいた合理的な判断—。論理的に情報選択の判断をすること。Eメールは、画面を通じたコミュニケーションであるため、相手の顔色を伺いながら話を進めることはできません。だからこそ、的確な判断力が必要であり、何をどのようにどこまで伝えるべきであるかを決断しなくてはならないのです。
論理力
物事の考え方を「論理的」に考えることで、解決不能に見えた問題や、 大変な努力が必要に思える厄介な事柄がすんなり解決されることがあります。論理力はビジネスパーソンとして成功する上で、不可欠な能力であり、問題解決の足がかりとなる大切な考え方です。
感情的な反応
では、ビジネスEメールの論理力とは、やはり「結論から」と考える方 が多いでしょう。または、「起承転結」が浮かぶ人もいるかもしれません。では 例えば、米国の親会社から「データが間違っているぞ」と、連絡が入ったとします。そのデータの数値を指定してきたのは相手だった場合、何と回答すべきでしょうか。「こちらの間違いではありません、そちらの指示に従っただけです」、「申し訳ありません、早急に送り直します」。
弁解をしたい気持ち、相手が親会社の人間であるという立場の違い、とにかく相手が怒っているようから謝らなくては、といった様々な思考が錯綜することにより、シンプルな事柄が複雑な問題へと変容していきます。この問題は論理的に考えることで簡単かつ効果的な解決法を見つけることができるはずです。 Eメールは、ビジネスシーンの中で頻繁に使われるコミュニケーション手段であり、One to oneのコミュニケーションに陥りやすくなることで、気づかぬうちに感情的に反応してしまう機会が増えてしまいます。
信頼関係の種は論理力
ビジネスEメールの目的とは「仕事を進める」ことです。 Eメールにおける論理力とは、合理的な判断を行う基盤として、 引いては互いの信頼関係構築のために、意思決定を論理的に構成するためのコアスキルなのです。
表現力
論理的に判断した意思決定事項を適切な言葉(文章)で伝えるためのスキル、それが「表現力」です。下された決定に対して、どのような言葉を選択し表現するかによって、ビジネスの継続的な成功の鍵となる信頼形成を実現することにつながります。裏を返せば、たとえ論理的な判断を下したとしても、それを表現する言葉が適切な表現でなければ、物事を思い通りに運ぶことはできず、大きな誤解を生むこともあるのです。
表現力で信頼関係の維持
米国の本社スタッフが再来週に来日予定。ところが急遽、同日に英国の顧客が来日することになってしまった—。この場合はやはり顧客の対応が優先されるべきでしょう。そこで、米国本社には来日延期依頼を願いでる決定をし、信頼関係を維持しながらその決定を適切に表現する必要があります。「顧客の立場を利用する」、「同じ会社の人間であることをアピールする」などの戦略的表現により、 相手の感情を害することなく、延期を実現することができるはずです。
「英語力」≠「表現力」
論理的に情報を判断したはいいけれど、最終的にそれを英語で如何に表現したら良いか分からない、という方は多いかもしれません。日本人ビジネスパーソンの中には、英語での表現力とは英語能力であると考える方もいますが、それは一概には言えません。何より重要なのは、相手との信頼関係を継続させる表現力であり、それは英語力をスキルアップするだけでは実現できないことでもあるのです。